会長 鏡山博行
平成26年、明けましておめでとうございます。皆様方には爽やかに新年を迎えられましたこと、お慶び申し上げます。
日頃は大阪府剣道連盟の諸事業に何かとお力添え賜り、お蔭さまで着実な歩みを進めることができておりますことに心より感謝する次第です。本年もよろしくお願いいたします。
昨年は、大阪剣道協会の山本真理子さんが全日本女子剣道選手権大会並びに全国警察剣道大会女子個人の部で優勝(ともに2連覇)を果たされ、全日本都道府県対抗少年剣道大会で小学生、中学生のアベック優勝(ともに2連覇)、全国中学校剣道大会男子個人戦でPL学園中学校の内橋響希君の優勝がありました。さらに、国民体育大会で成年女子が、全日本女子学生剣道優勝大会で大阪教育大学がともに2位と健闘されるなど、全国警察剣道大会での男子2位はありましたが、昨年は女子と少年の活躍が目立った年でした。今年は男子の奮起を期待します。
昨年は又、スポーツ指導者による体罰が大きな社会問題となりました。にもかかわらず、今なお全国的に後を絶たない事を憂慮します。指導者には個々に考えがおありのことでしょうが、少なくとも相手が暴力を振るわれたと感じるような指導、体罰は、社会が受け入れない時代であることを認識していただき、暴力、暴言の無い明るい稽古の場を醸成していただきますようお願いします。
政権交代から一年、安倍首相の放った「三本の矢」によって各種経済指標は上昇傾向にあるようです。オリンピックの招致に成功し、和食が無形文化遺産に登録されるなども相まって、一年前の沈滞ムードは一変したように感じられます。しかし、少子高齢化とそれに伴う人口減少、わが国を取り巻く国際情勢、エネルギー問題等、多くの不安定要素の解決は簡単ではなさそうです。
特に少子化高齢化の波はやがて剣道界を飲み込み、剣道人口の減少に直結するでしょう。それに備えて、少年剣道の健全な育成によって剣道少年を増やし、生涯剣道へ向かわせるべく会員の皆様方が一体となって努めていただきますよう願う次第であります。その一環として、本年で三年目になりますが、オール大阪と謳っています「暑中稽古」に是非ともご参加いただきたく存じます。少年の稽古の元立ちとなり、また、顔も知らない方同士で稽古を楽しむことで、文字通り大阪の剣道が一つになる場として確立したく、実行委員会の皆様方に熱心に取り組んでいただいております。
新政権の発足で社会的ムードが上向いてきた今この時こそ、将来へ向けての新たな社会像を目指すべきであり、そのために剣道人の果たすべき役割は大きいといわなければなりません。現代剣道が竹刀による競技である事は否定できませんが、単なる技術を競うものではなく、人生を極める「道」に通じている、日本の伝統文化である事を再認識し、日本人が見失っている夢や希望、そして日本の国への誇り、日本人であることの誇りを取り戻す年になることを念じます。